ドラマ化・映画化もされた東野圭吾の大ヒット小説、「白夜行」に続編があるのはご存知ですか?
続編である「幻夜」は白夜行ほど有名な作品ではないかもしれません。
が、2つの作品のつながりを理解するときっとゾワッとするはずです。
今回は2004年に出版された「幻夜」の感想を書きます。
ネタバレ要素を含みますが、この記事を最後まで読んで、面白そうと思ったらぜひ本を読んでみてください。
・幻夜読んだけど普通のミステリじゃね?と思った人
・幻夜が続編と呼ばれるのが意味不明な人
・幻夜の面白さを共有したい人
・東野圭吾の最高傑作に持論がある人
幻夜は深田恭子・塚本高史主演でドラマ化もされていまして、AmazonPrimeビデオで全話見れますのでこちらもおすすめします。深キョンの悪女役って似合うと思います。
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年間100冊程度読書してる雑魚い読書家です。
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「白夜行と幻夜」のつながりを理解すると超面白い理由
白夜行と幻夜のキーパーソンになるのはある女性です。
白夜行は唐沢雪穂、幻夜は新海美冬ですね。
こちらドラマですと、綾瀬はるかさん、深田恭子さんがそれぞれ演じています。
この二人が同一人物であると気づくと、途端にそれぞれの作品が一つに繋がって、ゾワッとします。
勘がいい方はすぐに気づくのかもしれませんが、僕は巻末の解説を読むまで全く気づかなかったので、知ったときは思わず声が出てしまいました。
白夜行では犯罪への直接的な関わりはなく、幻夜では裏の行動が詳細に描かれます。
白夜行と幻夜の人物・あらすじを紹介します。
幻夜の主要人物を紹介します
主要人物を絞りに絞って3人だけ。( )はドラマのキャストです。豪華キャストだけでもドラマ見る価値ありです。
俺は水原雅也(塚本高史)
長身イケメンアラサー。美冬大好き。
溶接とか金属加工が超得意な若手職人。
私は新海美冬(深田恭子)
芸能人レベルの美貌、妖艶さを持つスーパー美女よ。
どんなことをしてでも絶対に成り上がってやるわ。
私は加藤(柴田恭兵)
美冬を怪しむ刑事だ。仕事そっちのけで美冬捜査しちゃうぜ。
必ずお前らを逮捕してやる。
白夜行と幻夜それぞれのあらすじ(巻末の紹介文)
白夜行
1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂ー暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後全く別々の道を歩んでいく。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年・・・。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇!
白夜行(文庫版)裏表紙より
続いて幻夜
阪神淡路大震災の混乱の中で、衝動的に殺人を犯してしまった男。それを目撃した女。二人は手を組み、東京へ出る。女を愛しているがゆえに、彼女の指示のまま、悪事に手を染めていく男。やがて成功を極めた女の思いもかけない真の姿が浮かび上がってくる。彼女はいったい何者なのか?!名作「白夜行」の興奮がよみがえる傑作長篇。
幻夜(文庫版) 裏表紙より
どちらも暗い過去を持つ2人の男女を中心に、ストーリーが進みます。
幻夜の見どころ
白夜行とのつながりを知ると3倍面白い
白夜行はドラマもやっていたし、映画化もされたし見た人は多いのでは?
ちなみに僕はどっちも見ていませんw
本だけ。
白夜行は2人の主人公がいます。雪穂と亮司ですね!
この二人、明らかに関係がありそうなのですが、作中一切絡まないんです。
絶対裏でやり取りしているはずなのに、全く接点を描かない。そこがすごくないですか?
幻夜単体で読んでも十分面白い。
ですが、白夜行の続編だと思って読むと話がつながり、補完されて更に面白く読めるはずですよ。
白夜行との相違点
繰り返しですが、白夜行では雪穂と亮司のやりとりが全く語られません。
2人の関係性は読者の想像におまかせします状態でして、2人の周囲で謎の事件だけが発生していきます。
逆に幻夜では事件の裏で、雅也と美冬のやりとりが詳細に明かされます。
この描写によって、白夜行の裏側を想像することもでき、補完される感覚があります。
両方読んでると面白いゆえんですね。
雅也の変貌・変遷
最初は自分の殺人をネタに強請られる雅也ですが、美冬に助けられ、美冬と新たな人生を贈ろうと決心します。
その後、彼は愛する女のためになんでもしてあげます。男です。
犯罪代行から、おばさんを抱くことまでなんでもこなします。NGプレイなしの最強ホストです。
そ、そこまでは僕ででできませんよぉぉ・・・。
ですが、ストーリーが進むにつれ、雅也は自分が利用されていることに気づきだし、どんどん痩せて暗い顔になっていきます。気づいたときには時既におすしですね。
そして最終的に・・・なんていうことでしょう。結末はぜひ読んでみてください。
謎の女美冬の正体は?
僕は始め全く正体がわからず、謎の女のまま読了しました。
続編?どこがやねんww状態でしたね。
そのまま知らずに生きていればいいものを・・。
巻末の解説を読んでみて・・・・!!?
美冬は雪穂説があると知って、鳥肌がゾワッとたちました。
確かに全てのつじつまが合うんですよ。
正体を知ると美冬の徹底した生き方に納得しますし、同時に一気に怖くなります。
亮司と雪穂の絆は確かなものだったと思いますが、その後に現れた雅也は1000%利用されただけなのでしょうね。
悲しいことに。
幻夜というタイトルの意味
幻夜。幻の夜と書いて幻夜。
作中で雅也に対して美冬が言います。
あたしらは夜の道を行くしかない。たとえ周りは昼のように明るくても、それは偽りの昼。そのことはもう諦めるしかない。
幻夜(文庫版)p270より
最終的に裏切られる雅也にとってそれは幻夜だった。と僕は理解しています。
【結論】白夜行と幻夜のつながりを理解しないと人生を損する件
白夜行と幻夜はセットで読んでつながりを理解してほしい
僕はこれは2作で1作だと思っています。
アマゾンレビューとか読書メーターの感想なんかを見ると、
- どこが続編なのか全くわからない
- 白夜行のほうが面白い
などの感想があったりしますが、違うんですよ。これは2つで1つの作品なんですよ。
もはや比べることがナンセンスです。
白夜行にはなかった主役2人のやりとりの全貌が見ることができて、白夜行を補完してくれるのでどっちも外せないと思います。
【結論】つながりを理解すると東野圭吾最高の作品だと思います
東野圭吾さんの作品はどれも面白いのですが、これほど長編で作り込まれている2作はないと思います。
両作品とも700ページを超え、分厚いので読み出すまで躊躇するのですが、読み始めるとあっという間に2冊読んでしまうのではないでしょうか?
(前から思ってたけど集英社文庫さんは分冊に抵抗あるんでしょうか?)
もしまだ読んでいない人は人生を損してしまうので、ぜひ読んでみてくださいね。
次何読むか迷ったら、定額読書をおすすめします。
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裏がある女の人って・・・いいよね!
まずはこちらから!
白夜行読んだら、ぜひ幻夜も読もう!
コメント
コメント一覧 (1件)
幻夜を読み終えて、読んでいる最中とは違った解釈が見えてきました。最初は、白夜行で描かれなかった裏側の二人の接点が、幻夜で描かれているのかと思っていましたが…
同一人物は、雪穂と偽美冬だけなのですね。白夜行のラストで亮司が死亡した後の、雪穂の人生が幻夜で描かれている。時代背景から見てもそうなのかな。幻夜では、震災前、偽美冬が経営していたのは「ホワイトナイト(白夜)」白夜行では「R&Y」。ここが倒産の後、震災に遭い、一緒に店を盛り上げた女性(本物の美冬)になりすました、ということですね。そして亮司に変わる新たなパートナー雅也と出会い、雅也を踏み台にしていく。亮司とは真実の絆が存在したのに、雅也が欺かれていただけなのは、過去のつながりがないから。
亮司に厳守させていた性行為の約束を、雅也にも求めた。幻夜の衝撃的なラストを見ると、偽美冬は、これからまだ変貌を遂げながら進化しそうです。