元カノが忘れられないんだな・・・もうあんな情熱的な恋はできないと思うと寂しいんだな・・
(お前パンダのクセに恋とかしてんのかよ・・動物園にいろよ・・)
誰にでも忘れられない人・恋ってあるのではないでしょうか。
たとえそんな恋をまだしたことがない方にもきっとこれから来ると思いますよ。
ナラタージュ・・ナレーションとモンタージュを組み合わせた映画用語であるということですが、久しぶりに読んだ恋愛小説だったので、感想を書き留めておきます。
不倫小説とはいうものの・・面白いか面白くないかでいったら、僕は面白かったです。
甘すぎず、文章も綺麗で情景描写の細やかさは村上春樹を思い出しました。
簡単に言うと不倫小説なのでしょうが、心情がとてもリアルで、大人が読むと単純に不倫って・・だけでは割り切れないのではないでしょうか。
ナラタージュってどんな本?
本の概要です。
・ジャンル:恋愛小説
・発売日:2008年2月1日
・出版社:角川書店
・ページ数:411
・2017年に映画化もされています。
すこーしだけ長めな小説ですね。文章も重めなのでそれなりに時間かかるかと思います。
主な登場人物を紹介します。
・不倫体質な女子大生:泉
・JKと真剣に恋をする30代高校教師 葉山先生
・不倫主人公にぶっ壊されるベッドヤクザの小野くん
ナラタージュってどんな話?
見どころポイント
・泉が新しい恋に走るが結局葉山先生を忘れられない(小野くんぶっ壊れる)
・別れた後もずっと忘れられない(結婚するも忘れられない)
訳ありなバツイチでもう誰も傷つけたくないから誰とも付き合わない男葉山。
そういう路線だと思っていたのに、実は嫁と別れていなかったことが判明するシーンでは、泉がとてもショックを受けていて、純粋だなあと思いました。
泉はその後小野くんと付き合うも、一向に小野くんを好きになれないままいつまでも葉山先生を想っています。
小野くんはどんどんぶっ壊れてしまいDV系彼氏に変貌していきます。
泉は結局小野くんと別れてしまい、葉山先生とも結局別れ、別の男性と付き合い婚約するも、葉山先生のことは忘れられないのです。
ざっくり内容
超ざっくりあらすじです。
結婚直前の泉は婚約者の男性と歩きながら過去の恋愛を思い出します。
大学生の時に、高校の先生から電話を受け、OGとして後輩の演劇部の手伝いにいくことになります。
顧問の先生は自分が高校時代いじめにあっていた際に目をかけてくれていた葉山先生。在校時代から中がよく、告白もしましたが曖昧に断られていました。
久しぶりに会うとやっぱり気になり、ちょくちょく先生と会ったり、オタク訪問をしますが、ある時先生が離婚していないことがわかり、不倫なことにショックを受け、小野くんと付き合い始めます。
小野くんのことを好きになろうと努力する泉でしたが、小野くんは葉山先生の影に怯え続けケータイ・手帳はチェックするわ、無理やり抱くわ、切れまくるわでどんどんヤクザ化していきます。
そんなこんなで泉の中の葉山先生への想いがどんどん明らかになっていき、最後はおのくんを振って葉山先生の元へ行くも葉山先生は奥さんと復縁するとの宣言をし、泉とは完全に別れることに。
泉も数年後別の男性と婚約するのですが、ひょんなことから葉山先生の友人と会う機会があり、それまで曖昧な態度で煮え切らない男だった葉山先生が泉と撮った写真を未だに持ち歩くほど泉のことを愛していることを知るのでした。
ナラタージュを読んだ僕の感想
僕は不倫はやめたほうがいいと思うし、もしされた側になってしまったら絶対に許せないと思っています。
ですが反対にナラタージュのような恋を単に否定することも出来ないんですよね・・。
不倫だけれど・・
たとえ不倫だとしても本当に好きな気持は止められないもの。
人を好きになるって理屈でないと思います
最近は芸能人の不倫が流行りまくっていて、相当叩かれていますが、遊びの不倫も多いのは事実だと思います。
一方で不倫愛の片方が未婚で、相手に何も求めず、ただ相手の弱さ・寂しさなんかを受け止めてあげられる存在になりたいという気持ち。
若さから来るのか、純粋な気持ちの恋愛ってとてもピュアなんですよね。
恋愛歴が浅いからなのか。盲目的に愛してしまって他の人では替えが効かない。
一時の気の迷いなのか、恋愛歴が浅いからなのかはわかりません。
ですがそれくらいどうしようもないくらい人を好きになってしまうことをただの不倫!!ぶった切っていいものなのか。
当然配偶者から思えば許せないことだと思うけれど、第三者からだと一概にダメとも言えないなあと思うわけです。
既婚側が好きに相手を利用しているだけってパターンもあると思います。
ですが、結婚生活が全くうまくいってなかったりで、逃げ場や癒やしの場がないと壊れてしまうときに、そういう場所があることで自殺などを防げている場面もあったりして。
そんなの既婚側が弱いだけ、都合良すぎと言われればそれまでなのかもしれませんが。
まとめるの難しいですが。
このナラタージュは否定的に見るとつまらないのかもしれません。ですが僕はなんとも言えない恋愛をうまく表現していて面白いなあと思いました。
小野くんは不倫体質女性と付き合うには若すぎたのかもしれませんね。
忘れられない恋
それくらい本当に愛した恋愛って多分一生忘れることができないと思います。
ふとした時に比較したり、思い出にふけったり。
ああこの映画・音楽・本・・あの人が好きだったなあと何年立っても思い出す。いけないことなのか、それともそれくらい愛したことは美しい気持ちなのではないかとも思ったり。
配偶者からすればたまったものではないと思いますが、そのくらい人を愛したからこそ今の幸せがあるのかなとも思います。
一生のうちに1回位はどうしようもないくらいに人を愛したい。その恋愛がそれが結婚となり、一生をともに出来たら最高ですね。
大人になるにつれてメリット・デメリットがつきまとってきて心のそこから全てを受け入れて愛せるのって難しくなってくるように感じます。
若さっていいなあ。(葉山先生と同い年だけれども・・。)
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