僕が今回読んだのは、一色まことさんの名作『ピアノの森』。
全26巻、まあまあのボリュームで半分以上がポーランドで5年に1回開催されるショパンコンクールの話。
ショパンの曲なんて子犬のワルツとかノクターン程度しかしらない僕も引き込まれる作品。
多分もう10回は通しで読んでる。絵柄とカイの環境、設定、芸術性、雰囲気全部が好き。
ピアノをテーマにした漫画って、のだめカンタービレとかあるんだけど僕はこれが一番好きなんだよね。
とにかく森の雰囲気がいい。
当ブログの森もこの作品からインスパイアされてますのでね。
今回はそんな『ピアノの森』の感想を、特に心に残った3つのポイントからまとめてみます。
天才カイと秀才雨宮の対比が熱い

『ピアノの森』を語るうえで外せないのが、主人公カイと、もう一人の主人公とも言える雨宮の存在。
この2人の対比が、本当に熱い。
カイは、ピアノが捨てられた森で育ち、独学で音楽を身につけていく“天才”。
境遇としてはかなり厳しいし、普通なら夢なんて持てないような世界で、
自分の感性だけを信じてピアノと向き合ってる姿がめちゃくちゃかっこいいんです。
雨宮は恵まれた家庭で、ちゃんとした教育を受けて育った“秀才”。
でも、彼にはカイのような自由さや、本能的な音楽性がない。
どんなに努力しても、カイにある“なにか”が手に入らない。
そのことに悩み、嫉妬し、それでも諦めずに努力し続ける雨宮には、めちゃくちゃ共感できる人も多いと思う。
僕も読んでて、「あー、自分って雨宮タイプかも…」って思った。
この作品、どっちも主人公で、どっちも応援したくなるんだよね。
ピアノの森の“森”が美しすぎる

僕がブログで“森”って言葉をちょくちょく使うのは、実はこの作品の影響が大きい。
この『ピアノの森』の“森”が本当に美しいんですよ。
カイが初めてピアノに触れたのが、捨てられたピアノが置いてある森の中。
そこで彼が無邪気にピアノを弾いてるシーンは、言葉にならないくらい美しい。
森の静けさと、ピアノの音が溶け合ってるような描写があって、「ああ、この作品すごいな」って一気に引き込まれました。
「ピアノの森」っていうタイトル自体がすでに美しいんだけど、
読めば読むほど、その言葉の意味がじわじわ染みてくる感じ。
自然と音楽。
何も持っていない少年の“原点”。
森の描写一つでここまで世界観を作れるのか…って驚きでした。
ピアノを弾きたくなる漫画。音が聞こえる!

僕はピアノをちゃんと習ったことはないんだけど、この漫画読んでると本当に音が聞こえてきそうになるんですよ。
特にショパンコンクール編なんて、演奏中のシーンになるとページをめくる手を止めて、しばらく想像してしまうくらい。
「この曲、どんな音なんだろう?」
「実際にカイが弾いてるやつ、聴いてみたいな」って思ってYouTube探して聴いたりしてました(笑)
音楽の漫画ってここまでできるんだって、純粋に感動します。
“音のない世界で、音を表現する”ってめちゃくちゃ難しいことなのに、この作品はそれをやってると思う。
もしかしたら、音楽に詳しい人はもっと深く楽しめるのかもしれないけど、初心者でも全然OK。むしろピアノ未経験の人にこそ読んでほしい作品です。
ピアノの森は、音楽を知らなくても響く名作

一色まことさんの『ピアノの森』は、音楽やピアノを知らなくても、
心に響く名シーンだらけの漫画です。
天才と秀才のリアルな対比、
美しすぎる“森”という舞台、
そして音が聞こえるような演奏シーン。
これだけでも読む価値はあるけど、読後感としてはもっと深い余韻が残ります。
ちょっと元気がない時とか、何かに迷ってる時に読むと、
「もっと自分らしく生きていいんだ」って背中を押してもらえる気がします。
高校生や大学生くらいの人にもぜひ読んでほしい、そんな一冊です。
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