- ざっくりあらすじ・人物紹介とか
- 人形館の殺人が異色と言われる理由を3つ考えてみた
- ぼくの感想とか交えつつ語ります。そんなレビューブログです
( ゚∀゚)・∵. みなさんこんにちわ、れいすけ(@reisuke_0429)です。
突然ですが、あなたは「人形館の殺人」という本を知っていますか?
そう、「館シリーズ第4弾で、シリーズ中最も異色の作品との異名を持つ独特の小説」です。
館シリーズは新本格ミステリの開祖である綾辻行人の人気シリーズですが、その中でもこの人形館の殺人は異色の作品です。
僕の個人的に考える異色と言われる主な理由は、次のとおりかと。
- 島田潔(鹿谷門実)がほぼ出てこない(妄想の中)
- 人形館が中村青司の設計した館ではない
- 殺人事件を犯したのはメンヘラを極めた主人公である
このあたりが異色たる理由なんじゃなかろうかと思っています。
もちろん単体のミステリ作品としては綾辻行人の作品なので文句なく面白いと思います。
が、これが館シリーズ第4弾となると、
・・・え?これ・・・館シリーズなの?
と思う人がたくさんいるのも仕方ないとも言えると思います。作者の挑戦だと思うとありかなっていうのが僕の感想です。
それでは感想や作品紹介していきましょう( ゚∀゚)・∵.
この記事をこんな方へ・・・
- 人形館の殺人がなぜ異色と言われるのか知りたい人
- 人形館の殺人を読んだ自分以外の感想を知りたい人
- 人形館の殺人は面白いのか?読む価値あるのか気になる人
- 館シリーズ好きな人
この本を読んだ人はぼくに感想を教えて下さい。この記事で面白そうと思った人も記事の感想を教えて下さい。
年間100冊程度読書してる雑魚い読書家です。
小説(ミステリ多め)・新書(歴史系多め)・KindleUnlimited好きで、知識のおすそ分けしたく、ブログ書いていますので他の記事も読んでくれると嬉しいです。( ゚∀゚)
Twitter(@reisuke_0429)で本の感想・知識を呟くのでフォローしてね( ゚∀゚)
【人形館の殺人の解説】異色と呼ばれる理由とは・・・
異色の理由を3つ考えてみる
人形館が館シリーズの中でも異色と呼ばれる理由を書いてみました。
冒頭でも書いたんですが、僕が読んで思うにこんな感じ。
- 島田潔(鹿谷門実)がほぼ出てこない(妄想の中)
- 人形館が中村青司の設計した館ではない
- 殺人事件を犯したのはメンヘラを極めた主人公である
このあたりが異色たる理由なのではないでしょうか
館シリーズは十角館の殺人や時計館の殺人のような、
- 本格ミステリー
- クローズド・サークル作品
- 探偵島田潔が出てくる作品
であるとファンの僕はそう思っています。というより、そうあって欲しいと思っています。
が、人形館の殺人はこれらを全て無視した作品となっているので、そりゃ異色と言われますわな~。
この理由について語る前にあらすじ・人物紹介からいきましょう。
その後、感想交えつつ理由を語って終わりたいと思いますのでよろしくお願いします。
【人形館の殺人】あらすじ・人物紹介
【人形館の殺人】のあらすじ
父が飛龍想一に遺した京都の屋敷――顔のないマネキン人形が邸内各所に佇(たたず)む「人形館」。
街では残忍な通り魔殺人が続発し、想一自身にも姿なき脅迫者の影が迫る。
彼は旧友・島田潔に助けを求めるが、破局への秒読み(カウントダウン)はすでに始まっていた!?
シリーズ中、ひときわ異彩を放つ第4の「館」、新装改訂版でここに。(講談社文庫)
引用 人形館の殺人 文庫版 裏表紙
静岡から母と二人で引っ越ししてきた京都のお宅はマネキン人形がいくつも置いてあるお家。
飛龍さんの身の回りで飛龍さんに対する謎の敵意が向けられます。
郵便受けにガラスが入っていたり、猫の死骸が玄関先に置いてあったり。
そして同時に彼の古い記憶が段々、段々と蘇り、子どもの頃のトラウマが明らかになっていきます。
【人形館の殺人】の主な人物紹介
飛龍想一(メンヘラ主人公)
売れない画家をやっています。内向的で病弱タイプ。趣味は引きこもり。身の回りは母がやってくれて、父が残した財産があります。
道沢希早子(飛龍が恋をする相手)
大学生です。飛龍さんて、不思議な方。
絵を書いているみたいなので見てみたいですわ。
島田潔(鹿谷門実)
飛龍くんは僕の後輩でしてねぇ。少しばかり心配なんですよねぇ。
今回はほぼ出番なし(涙)
【人形館の殺人の解説】異色と言われる理由を考えてみた
島田潔が出てこない
やっぱり島田さんがほぼ全く出てこないのが一番異色な理由だと思うんですよね。
ミステリのシリーズって探偵役が主人公みたいなところあるじゃないですか。
例を出すとこんな感じ。
- ガリレオの湯川先生
- シャーロック・ホームズ、エリキュール・ポアロ
- 明智小五郎、金田一耕助
- 金田一、コナン、とか。
湯川先生が登場しないガリレオとか、肉のない焼き肉じゃないですか・・・。
そして館シリーズの探偵といえば島田潔。
なんですが、この人形館の殺人では、まさかの登場ほぼなしという展開なんですよね。
今回島田さんは、飛龍の学生時代の先輩として、飛龍の自宅「人形館」で起きる事件を電話相談として登場します。
が、実はそれは飛龍の脳内でのみであって、実際は島田は登場しない。飛龍が相談したつもりになっている。
最後にちょろっと精神病を患っている飛龍を気遣い、手紙で登場するくらい。
島田が登場せず、事件も飛龍の精神病が引き起こしたという結末はちょっと館シリーズっぽくないですよね。
人形館が中村青司の設計した館ではない
館シリーズといえば、
変態建築家の中村青司が生前に設計したキモい館で起きる、逃げ場のないクローズド・サークルの連続殺人事件です。
なのに、なんと人形館は中村青司が設計した館ではないんです。
中村青司が設計した館でないとか、もはやなんの館でもなくね?
逆に館シリーズと関連あることって何があるんだろう?
てゆーか、館シリーズの定義とはなんなのか? そんなことを考えてしまいます。
でもね、決して島田が出ないわけでもないんですよね。
一応飛龍は学生時代島田の後輩ではあるんです。
自宅で起きる事件も島田なら解決してくれるといった感じでして、信頼度は安定の100%です。
けど僕としては、やっぱりシリーズのお約束はやってほしい。
ま、単発ミステリとしては悪くないとは思うけどね。
君、ナニサマなの?
事件の犯人はメンヘラ(統合失調症)を極めた主人公
個人的にですが、事件の犯人が主人公って展開が萎えます。
なんども言いますが館シリーズは、謎の館、裏にある動機、凄惨な殺人、緊張感ある脱出不可な状況を楽しみたいんです。
本作は終始、飛龍の一人称視点で話が進んでいく珍しい展開。
新しい書き方だなあって思って読んでいたら、最後はまさかの統合失調症による幻聴症状が出ているメンヘラ君でした。
お母さんも息子が精神病で退院してから献身的にお世話をしてくれていたのに、幻聴によって錯乱した飛龍に放火されて殺される。
病気のせいでお母さん焼殺しちゃうのはひどいスね。やりきれない。
この幻聴もね、飛龍が幼少期に大好きな母親を自分に引きつけるためにやったある行動が原因で飛龍のトラウマとなってしまったのが原因だったりします。
こういうところはさすが綾辻作品です。
でもシリーズモノなんだし、いつもクローズド・サークル作品だと飽きるから、たまには変わり種もいいじゃん?とも思うんです。
またまた、こういう重症患者が火災や色んな事件が彼の周りで発生したら、警察や行政の保健師・保健所保健師なんかがが動くのでは?とも思う。
第5弾の時計館の殺人がめちゃめちゃ王道のミステリなだけに、箸休め的になるのかもしれない。
でも僕はやっぱり人形館も奇妙な館で、壮大な動機、緊張感ある閉じ込められを読みたかった。
そして犯人は精神病なんかじゃなく、冷静かつ狡猾に殺人事件を犯してほしかったっていうのが僕の感想です。
【人形館の殺人の解説】異色だけど箸休め的には面白い
ここまで読んでいただいて大変ありがとうございます。お疲れさまでした。
人形館の殺人はシリーズ4作目でして、全作の迷路館の殺人、次作の時計館の殺人がどっちもガッツリとした本格派なんですよね。
だから、その間のチェイサーというか、箸休め的にちょっと違った志向でいったのかなとも思います。
特に次作のシリーズ第5弾時計館の殺人は初の上下巻になる長編で、館も凝ってるし殺される人もほぼ全員でめっちゃ怖い作品となっています。
だから全体を通して見ると、人形館の殺人のポジションもありなのかな・・・とも思えるかなと。
- 単体ミステリとしては面白い。気になる謎もある。
- 館シリーズとして見ると異色でイマイチとの声も多い。
- でもシリーズ全体を1つとして見ると、1つくらいはこういうパターンも有りかなとも思える。
ぜひシリーズ通して読んでみてくださいね( ゚∀゚)・∵. ではまたね
コメント